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ヘリタンス・ティーファクトリーのスリランカカレーは絶品

先日、ヘリタンス・ティーファクトリーで食べたスリランカカレーは、本当においしかった。スリランカでは高級ホテルを含めて様々な施設でカレーを食べてきましたが、ここのカレーは違いました。高級ホテルのカレーには、辛さを抑え、香りを整え、外国人客にも受け入れられる味にまとめたものも少なくありません。食べた瞬間は上品に感じても、料理ごとの差が小さく、後半になると似た味が続くことがあります。ヘリタンス・ティーファクトリーのカレーには、そのような物足りなさがまったくありませんでした。

肉のカレーには肉の力強さがあり、ダールには豆の甘みがあり、野菜のカレーからは素材の香りがきちんと伝わってきます。また、他所のカレーと異なる点に、マンゴーなどが使用されていて、それがまた調和していておいしい。どの料理も単独で完成しているのに、ご飯の上で混ぜると、さらにおいしくなる。辛さ、甘さ、塩味、酸味、ココナッツのまろやかさが重なり、ひと口ごとに味が変わります。紅茶畑に囲まれた高原のホテルで食べたという雰囲気だけではなく、料理そのものが強く記憶に残るディナーでした。


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ふつうの高級ホテルのカレーとは明らかに違う

ヘリタンス・ティーファクトリーのカレーで最も印象に残ったのは、高級ホテルの料理でありながら、スリランカカレーらしい力強さが失われていなかったことです。見た目だけを整えた料理でも、辛さを抑えた無難な味でもありません。香辛料の香りがはっきり立ち、肉や豆、野菜、そしてフルーツの味がその中に埋もれず、それぞれの料理に異なる表情があります。ホテルで出すために味を均一にしたのではなく、土地の料理を丁寧に仕上げたカレーでした。

特に違いがわかるのは、数種類のカレーを一緒に食べたときです。肉のカレーを食べた後にダールを加えると、濃い味が豆の甘みで包まれます。そこへ野菜のカレーやチャツネを少し混ぜると、香りや酸味が加わり、同じご飯が別の料理のように変わります。どれか1品だけが目立つのではなく、組み合わせによっておいしさが増していくため、最後まで飽きません。高級ホテルらしい丁寧さと、スリランカの家庭や土地に根づいたライス&カレーの魅力が、きれいに両立しているのです。


料理ごとの味がはっきりしている

スリランカのライス&カレーは、数種類のカレーと副菜をご飯に混ぜて食べる料理です。ただし、何でも混ぜればおいしくなるわけではありません。それぞれの料理にきちんとした味があり、香りや辛さの方向が異なっているからこそ、混ぜたときに奥行きが生まれます。ヘリタンス・ティーファクトリーのカレーは、この基本がしっかりしています。肉のカレーには深いコクがあり、ダールは穏やかで、野菜のカレーには自然な甘みと香辛料の香りがありました。

コリアンダーやクミン、マスタードシード、カレーリーフなどの香りも、すべてを同じように強く使っているわけではありません。料理ごとに香りの出方が異なり、ココナッツの濃さにも変化があります。パパダムを細かく割って混ぜれば香ばしい食感が加わり、チャツネを少量添えると甘みや酸味が加わります。ダールは辛さを弱めるためだけの料理ではなく、肉や野菜のカレーをまとめる役目を果たしていました。皿の上に並んだ料理が、すべて必要なものとして作られていることが伝わってくる気がします。


高原のタミール系食文化を感じる味

ヌワラエリヤ周辺の紅茶産地には、南インドから渡ってきた人々の子孫が多く暮らしています。紅茶農園とともに築かれてきたこの地域には、豆や野菜を多く使い、マスタードシードやカレーリーフ、ココナッツを生かす食文化が残っています。ヘリタンス・ティーファクトリーで食べたカレーにも、スリランカ南部や海岸部の料理とは異なる、高原らしい味がありました。

ホテルがすべてのカレーをタミール料理として出しているわけではありませんが、豆や野菜の使い方、香辛料の香り、肉料理と副菜の組み合わせには、南インドに通じる食文化が感じられます。濃いソースで素材の味を覆うのではなく、ご飯やダール、野菜と一緒に食べたときに味がまとまるように作られていました。ヌワラエリヤは英国風の建物や紅茶畑で語られることが多い場所ですが、この土地の紅茶産業を支えてきた人々の食文化も、地域を知るうえで欠かせません。ヘリタンス・ティーファクトリーのカレーには、その背景が料理として表れていました。

ウェイターに確認しても、やはりタミールカレーの独特の風味がよく出ていることがわかりましたし、同行したガイドに聞いても、美味しいと好評でした。


紅茶工場で食べるから美味しいのではない

ヘリタンス・ティーファクトリーは、紅茶工場だった建物を利用したホテルです。鉄骨や工場設備の面影が残る館内で食事をすると、一般的な高級ホテルとは異なる雰囲気があります。日が暮れると高原の空気が冷え、温かなカレーの香りがレストランに広がります。紅茶畑に囲まれたホテルで食べるディナーとして、これ以上ない組み合わせに感じられました。

ただし、このカレーがおいしい理由を、建物や雰囲気だけで説明することはできません。場所が特別だからおいしく感じたのではなく、料理そのものが優れています。香辛料の使い方、料理ごとの味の違い、ご飯と混ぜたときのまとまりまで、細かく考えて作られていました。高原の夜や紅茶工場の空間は、そのおいしさを引き立てていますが、中心にあるのはあくまでカレーです。食後にセイロンティーを飲むと、口に残ったスパイスやココナッツの香りが落ち着き、ヘリタンス・ティーファクトリーらしいディナーの締めくくりになります。


このカレーを食べるためにも泊まりたい

ヘリタンス・ティーファクトリーは、建物を見るだけでも印象に残るホテルです。しかし、ここに泊まるなら、ディナーを外すべきではありません。館内を見学し、紅茶畑を眺め、夜になってからケンメア・レストランでスリランカカレーを食べることで、このホテルの魅力がひとつにまとまるとも言えそうです。また、ディナーメニューはビュッフェもありますし、人気の食堂車レストランもありますが、アラカルトのこのカレーも、ヘリタンス・ティーファクトリーを選ぶ目的のひとつとなる料理だと言えます。

スリランカの高級ホテルで食べるカレーは、どこも同じではありません。そのなかでも、ヘリタンス・ティーファクトリーのカレーは、上品なだけでなく、香辛料の力強さと土地の味を残しつつ、お値段に見合うスリランカ料理に仕上がっています。数種類の料理を少しずつご飯に混ぜ、ひと口ごとに変わる味を確かめながら食べると、このカレーがほかのホテルと違う理由がよくわかります。スリランカで食べたカレーのなかでも、またもう1度食べたいと思える、本当に美味しいカレーでした。



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