雨季でもツアーは催行される
コモド島の雨季はおおむね12月から3月頃までで、ラブアンバジョやコモド国立公園でも雨の降る日が増えます。ただし、雨季になったからといってコモド島ツアーが毎日中止されるわけではありません。雨が降っていても海況に問題がなければ観光船は運航し、コモド島やリンチャ島でのコモドドラゴン見学、パダール島のトレッキング、ピンクビーチやマンタポイントなどを組み合わせたツアーも催行されます。ラブアンバジョでは年間を通して観光客を受け入れており、「雨季=コモド島へ行けない」と考える必要はありません。雨季でも晴れる時間はあり、朝は曇っていたものの午後には青空が広がる日もあれば、反対に朝から雨になる日もあります。日本の梅雨のように毎日同じような天候が続くのではなく、日によって差が大きいのがフローレス島西部の雨季です。
問題になるのは雨そのものより、強風と高波です。ラブアンバジョからコモド島やパダール島までは船で長い距離を航行するため、港周辺が穏やかでも、島々の間にある海峡では波が高くなることがあります。天候が悪化した場合には、ラブアンバジョの港湾当局が観光船に出航許可を出さず、コモド国立公園方面への船舶運航が一時的に停止されます。雨季のコモド島旅行を考える際には、「雨が降るか」だけを見るのではなく、「船が安全に航行できる海況か」という点まで考える必要があるのです。雨季でも運航日は多くありますが、乾季と同じ感覚で予定を固定しすぎない方がよいでしょう。

2026年は1月に長期間停止
2025年末から2026年初めにかけては、コモド島ツアーの運航状況に大きな変化がありました。2025年12月26日以降、悪天候と高波を受けて観光船の運航が停止され、年が明けても通常運航には戻りませんでした。1月中旬になっても高波が続き、運航停止は20日まで延長、その後も27日まで延長され、さらに月末まで観光船の出航が制限されています。ラブアンバジョの市街地で天気がよく見える日でも、コモド国立公園周辺の海域では波が高いことがあり、港の天候だけでは判断できない状態が続きました。この期間はスピードボートを含む観光船に出航許可が出されず、コモド島やパダール島を訪れる通常のツアーを催行できない日が続いています。
2月に入ってもすぐ全面再開とはならず、3日頃からまずスピードボートによるリンチャ島方面の運航が認められ、その後、海況を確認しながら観光範囲が戻っていきました。2月23日から25日にも再び強風と高波が予想されたため、コモド島とパダール島方面への運航が停止され、このときもラブアンバジョに比較的近いリンチャ島方面についてはスピードボートの航行が認められています。つまり、2026年の雨季は「全面運休か通常運航か」という単純な状態ではなく、海況によって行ける島が変わり、リンチャ島だけ観光できる日もあったということです。コモドドラゴンはコモド島だけではなくリンチャ島にも生息しているため、条件によっては行程を変更してドラゴン見学を行う場合もあります。

乾季でも運航停止は起こる
コモド島ツアーの運航状況を見るうえで知っておきたいのは、船が止まるのは雨季だけではないということです。2026年7月には、一般的には乾季にあたる時期にも強風と高波による運航制限が複数回発生しました。7月22日頃にはコモド島やパダール島方面への船舶運航が制限され、リンチャ島方面のみ認められました。その後、海況の回復によって23日に全方面への運航が再開したものの、月末には再び高波が予想され、コモド島、パダール島などへの航行が制限されています。雨季だから船が止まり、乾季なら必ず運航するという関係ではないことが、2026年の状況からも分かります。
さらに8月上旬には、東南からの強い風と最大2.4~2.6mほどの高波が予想されたことから、コモド島とパダール島方面への観光船が再び停止されました。この時期もリンチャ島周辺など一部方面への観光は続けられ、海況の改善後に通常運航へ戻っています。7月から8月はコモド島観光の代表的なシーズンですが、それでも数日単位で航行できないことがあるわけです。したがって、コモド島旅行で最も重要なのは季節だけで運航の可否を決めつけないことであり、出発直前の海上予報と港湾当局の出航許可を確認することになります。2026年は雨季だけでなく乾季にも運航停止が発生したため、「何月なら絶対に大丈夫」という考え方は現在のコモド島ツアーには当てはまりません。

再開は段階的になることもある
天候が回復したからといって、すべての観光船が同時にすべての島へ向かえるとは限りません。コモド島周辺には複数の海峡があり、ラブアンバジョからの距離も島によって異なります。比較的近いリンチャ島と、さらに南西側にあるパダール島やコモド島では航行する海域が異なるため、一部だけ出航許可が出る場合があります。2026年1月から2月にかけても、長期間の停止後はスピードボートによるリンチャ島方面から運航が再開されました。7月と8月の高波でも同様に、コモド島とパダール島は停止しているものの、リンチャ島方面は運航できるという日がありました。
この違いはコモド島ツアーを予約する際にも関係します。コモド島、パダール島、ピンクビーチ、マンタポイントをすべて訪れる予定だったとしても、当日の海況によってはリンチャ島やラブアンバジョに近い島へ変更される場合があります。一方で、強風が収まり海況が改善すれば、予定されていた停止期間の途中でも運航が再開されることがあります。2026年7月には24日まで制限される予定だった航行が23日に再開した例もありました。港湾当局は日付だけで機械的に判断しているわけではなく、海上の風、波の高さ、現場からの報告などを確認したうえで出航許可を判断しています。そのため、雨季の旅行では出発の数週間前に天気予報を見るより、現地到着前から当日にかけて最新の運航状況を確認する方が参考になります。

雨季は予定に余裕を持たせたい
雨季にコモド島を訪れるなら、ラブアンバジョ到着日にツアーを組み、その翌日に帰るような短い滞在より、少なくとも数日の余裕を取っておく方が安心です。予定していた日に高波で船が出なかったとしても、翌日に海況が改善すれば観光できることがあるからです。特に12月末から2月前半は、2026年に長期間の停止が起きた時期でもあり、コモド島やパダール島を必ず訪れたいのであれば、旅行全体の予定に余裕を持たせておきたいところです。反対に、3月以降は雨季の終盤となり、その後は乾季に向かいますが、前述したとおり乾季にも強風による航行停止はありますので、季節だけで安全性を判断することはできません。
コモド島ツアーでは、天気がよければ出航するというものではなく、観光船ごとに港から出航許可を受けて運航します。2026年には1月の長期間停止、2月の限定的な再開と再停止、さらに7月と8月にも高波による運航制限がありました。これはコモド島観光が不安定になったという話ではなく、海況に合わせて航行範囲を変更し、安全が確認された段階で再開する運用が行われているということです。雨季でもコモドドラゴンを見る機会はあり、天候に恵まれればパダール島やピンクビーチなどを含めた通常のコモド島ツアーを楽しめます。雨季のコモド島旅行では、晴天を期待するだけではなく、運航状況に合わせて観光内容を調整できる予定を組んでおくことが、2026年の状況を踏まえた旅行の考え方だと思います。


