※こちらの情報は2026年4月現在のものです。
コモド島やパダール島、リンチャ島などのコモド国立公園を観光客が訪れる際の新ルールが今年2026年4月から適用され、1日1000人という入場規制が開始されています。
実は、これは昨年10月には既に報じられていたことでしたが、実際に実施される方向で進んでいるもようです。
それで、現地への取材も含め、現在でまわっている情報が、真偽のほどがわからない情報ばかりなので、一度整理して現時点での正確な情報をお伝えしたいと思います。

コモド国立公園入場者制限1日1000人,パダール島は3段階の入島
まず、コモド国立公園に観光目的で入域できる観光客数が1日1000人に制限されるようになりました。
2026年1~3月までは試験導入するということでしたが、試験導入された形跡はありません。また、そもそもローシーズンである3月までは、1日1000人を超える入場者がコモド国立公園を訪れる日というのはありませんでした。
オンライン予約サイトの中には、“2月から実施される” という表現が見られましたが、それは誤りで3月の時点で実行されていません。
また、昨年12月にライブアボード(宿泊ツアー)の木造船が起こした転覆事故もあって、2月上旬まで船舶の航行が禁止されていたことも影響していると思われますが、試験的に導入しようとしたものの、事故の後処理でそれどころではなかったということも考えられます。
ただ、3月20日前後にコモド国立公園の入場チケットを購入する際に使用するシステムがアップデートされ、4月からの空席表示が出るように変更になりました。これによって、正式に新システムに移行したものと見られています。
次に、これも前から言われていたことですが、パダール島の入島に3段階の時間制限が設けられます。
以前伝わった話では、5~6段階に分かれていましたが、どうやら4月以降は、8時~11時、11時~15時、15時~17時という3段階の時間に分け、各時間帯に300~350人ずつ、合計1000人が入島できるというものになりました。
パダール島に関しては、これまでは朝は午前10時まで、15時以降も夕日鑑賞のために入島できました。夕日鑑賞の時間帯は上陸する観光客もとても少ないと思われ、現地でもその時間にパダール島に行けることを知らない人もかなりいました。
これが、今回の入島制限により、観光客を振り分けるためにサンセットの時間を積極的に利用しようというもののようです。

7月・8月は入場チケットが残りわずか?
さて、ここからが本題ですが、コモド島観光のピークシーズンは7月~8月にかけてですが、この時期の国立公園入場チケットが既に売り切れの日があるとか、8割方はもう発行済みだという情報があります。
現地で調査してみましたが、この情報の出どころは分かりません。
まず、売り切れの日があるという情報が日本語で書かれている記事にもありますが、これが事実であるとは思えません。試しに現地の旅行会社で入場チケットを発行するところに同席させてもらいましたが、8月中旬の入場チケットが普通に買えました(2月24日確認)。
また、4月1日現在、新システムで残席表示を見てみますと、8月で500~600、それ以外の月の多くは900以上の残席と、ほとんど埋まっていないことがわかります。また、この残数にしても、おそらくは旧システムで購入した人の分を国立公園事務所が差し引いて始めたためにこのような数字になっているものと見られます。
つまり、導入が開始された段階で分かることは、国立公園事務所が本当に1000人きっかりで打ち止めとして、それ以上は絶対に入場させないかは分からないとも言えます。
そこで、国立公園にその点を確認してみました。
あくまで、公式な発表ではないという前提ですが、以下のような情報が得られました。
・8月は最大で2200人まで入場させるつもりである
・パダール島の入島制限については、トラブル防止のためにプラスアルファで上陸できるようになる
・システム移行前に入場チケットを買っている場合、(パダール島の上陸時間希望を選択できないシステムだったために)パダール島の担当官にその旨を説明してください(そうすれば上陸できます)。
ということでした。
これでわかることは、新システムは導入したものの、厳格に管理されるわけではないということです。これらは取材の結果回答を得たものですが、これを踏まえて考えますと、システム上で1000人打ち止めとなっても実際にはまだ買えるのではないかとさえ思います。そういう完売というシステムになっているのかすら分かりません。


オンラインサイトは自社での発行をしなくなった
噂や誤情報ばかりで本当のところがよく見えませんでしたが、変わったことと言えば、オンライン予約サイトやクルーズの直販サイトで、国立公園入場チケットの購入は各自でやってくださいという表現になりつつあります。
これまでは、入場者に制限はなかったので、前日や当日でも購入可能でしたが、リスク回避のために、代理店やクルーズ運航会社では利用者が各自で購入するなどして用意することを推奨しはじめています。ただ、前述した通り、観光客は自分でコモド国立公園入場チケットを買えないシステムですので、どうしろというのかまだよく見えません(彼らにもわかっていません)。

2025年の同時期は1日3000人の観光客が訪れた
それで、1日1000人という数字が多いのか少ないのかわからないと思いますので、昨年はどうだったかと言いますと、2025年のピークシーズンに、コモド国立公園に入域した観光客数は1日約3000人でした。ということは新ルールによって、もっとも多い時期で、1/3の人しか国立公園に行けなくなることになります(厳格に適用された場合)。
ご存じのようにコモド島観光というのは、アイランドホッピングでコモド諸島に船で行って1日観光しますので、これができないとなるとほかにやることがほとんどなくなります。
これまでは、とりあえずコモド観光の拠点となるフローレス島のラブアンバジョまで行って、町の代理店などで翌日のツアーを探したりすることもできたのですが、それができなくなるどころか、もし本当に半年先の訪問でさえ満席となると、観光業界にとってゆゆしき事態だと言っても過言ではありません。

ラブアンバジョには多くのホテルやゲストハウスなどの宿泊施設があり、外国人向けの観光関連のサービスやレストランが近年増加し、小さな港町の経済を潤しています。
この新規制が厳しく実施されると、ラブアンバジョの経済を直撃することは間違いなく、単純に言っても最盛期で7割も収入が減少するわけで、これにより多くの地元住民が職を失いかねません。
現地では既に新ルール導入に反対する人たちによるデモが行われていまして、今後はますます規模が拡大していくものと見られます。

結 論: 念のために早めの予約がベター
コモド国立公園というのは、コモドドラゴンやマンタ、オオコウモリ、その他多くの希少動植物が生息していて、かつアジア随一のピンクビーチなどもあり、美しい自然とゆたかな生き物たちで満たされるすばらしい観光デスティネーションです。
これらの貴重な自然や生態系を守るために、観光規制が行われるのは当然で、観光資源をサステイナブルに保護する観点から、入場者制限や、以前検討されたように高額の入場料がかかるようになるとしても、仕方がない側面があります。
ですが、これらを踏まえてみても、いまだオーバーツーリズムの状態に陥っているとは考えにくく、現状でこの新ルールを導入すれば、どのような影響が起きるか、たとえばこのまま強行すれば、各国の旅行手配上におけるトラブルが多く発生するでしょう。
それに対処できるだけの方策がインドネシア側にあるとはとても思えないので、やはりある程度余裕をみて適用されるのではないかと思います。
ただ、いずれにしても現時点でいえるのは、新ルールを実行する段階に入ったのは確かなので、事前に国立公園入場チケットを用意してくれる現地旅行社などでツアーを手配しておいた方が良いと思います。
また、新たな情報が入り次第お伝えしていきたいと思います。

